第2回 とちぎ乾癬友の会 学習懇談会(第23回) ~栃木県宇都宮市
患者と医者というより、人と人として話そうよ、という感じです。お互い言いたいことを言い合える 環境が次のステップを生むと信じています。
とちぎ乾癬友の会 相談医:菅井順一先生(菅井皮膚科パークサイドクリニック院長)
……県外からも医師や患者さんが大勢参加されているのにまずびっくりしました
菅井先生:11年前、最初に会を開いたときは、患者さんがどれくらい集まってくれるのか見当もつかなくて30人ぐらい来てくれたら感動で泣いちゃうね、と一緒に会を立ち上げた女性看護師と話していたんです。でも蓋を開けたら180人も来てくださって、もう泣いてるどころじゃなくなってしまいました(笑)
……栃木に患者会をつくろうと思ったのはどうしてですか?
菅井先生:とにかく患者さんのためには絶対あったほうがいい!医師の立場でどうこう考えるんじゃなくて、患者さんにとって必要なものなんだから、患者さんが来る来ないは置いておいてとにかく作らなきゃ、という思いでした。そのために隣の群馬の患者会にも何度も見学に行き、自治医科大学の大槻先生にも相談しました。大槻先生もぜひ作ろう!と言ってくださって、いまでは相談医3人に加え県内、県外ふくめサポートしてくださる先生や看護師、薬剤師も増え、毎回盛況です。
……菅井先生のその情熱の源泉は何なのでしょう?
菅井先生:さきほど会は患者さんのためと言いましたが、実は我々医師にとっても、患者さんの気持ちを正しく知ることができる貴重な場なんです。我々はつい発信側の立場だけで話をしがちですが、受け手である患者さん側の気持ちまで見えていないことがあるんです。会で患者さんの生の声を聞いていると、なるほど、患者さんはこう言うと、こう受け取るのか、じゃあ次話すときは、もっとここをわかりやすく説明しようとか、こういうことも新たに聞いてみようとかいう発見が毎回必ずあるんです。医師と患者の垣根が低くなることで、我々医師の表現力、伝え方は確実に変わります。そして、患者さんの気持ちも読みやすくなる。そんな意味では、僕は研修医の人にこそ、ぜひ患者会に参加してほしいな、とも思っています。我々はなぜ医師になったのか?こういうことのためでしょ!っていう医師の原点のようなものがそこにはあるんですよね。
……この会では、医師だけでなく看護師や薬剤師さんからの講演発表もあるようですね?
菅井先生:診察室って微妙な緊張感の中にあったりします。こんなこと言っていいのかな、という医師への遠慮はやはりあると思うし、現に、僕らもたまに病気をして患者として他の医師にかかってみると、やっぱり医者に直接聞きづらいことってありますもん(笑)。そんな患者さんの思いを、看護師や薬剤師たちが、代わりに聞いてくれていたりするんですよ。そんな彼らの情報が、我々医師にフィードバックされ、彼らがクッションとなって、医師と患者をさらに近づけてくれる ことで、三者が一丸となって乾癬に向き合うスタイルが出来上がって来た感じです。トライアングルのバランスがうまくとれているのがこの会の特徴かもしれませんね。
……最後に、参加を迷っている患者さんがいたら、どういった声をかけたいですか?
菅井先生:患者と医者というより、人と人として話そうよ、という感じです。スタッフはみな友達、仲間であり、患者さんを含めて我々はひとつのチームだと思っています。とにかく気負わず、気楽に一回顔を出してみてください。お互い言いたいことを言い合える環境が次のステップを生むと信じています。
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