自分を変えたいと思ったら一歩踏み出して、専門医を訪ねて欲しい。今なら、あなたにあった治療法がきっとあるはずです。
ー東京 聖路加国際病院 新井 達 先生
「昔から言われている『乾癬は治らない』はいささか語弊があります。数％の人は治っているし、治療の選択肢が増えた今は、打つ手がない、という状況はなくなってきていますから」
包み込むようなやさしい笑顔でそう語る新井先生。東京乾癬の会の事務局もされている先生のもとには、その講演を聞いた患者さんや、全国の病院から紹介を受けた患者さんが毎月のように訪れるのです。
新井先生の治療のモットーは患者さんの治療モチベーションを落とさないこと。
「薬を塗っていない患者さんはその肌を見ればすぐわかります。でも責めたりしてはダメ。薬がべたべたして塗れない、というならローションタイプに。忙しくて何回も塗れない、というなら少ない回数で済むものや飲み薬へのシフトなど、工夫の方法は様々あります」
さらに、症状を見るとその背後に隠れている生活上の問題も見えてくる、とも。
「たとえばかゆみは無い、と言う患者さんも背中を見ると寝ている間に掻いた形跡があったり、お風呂で無意識に鱗屑を剥がして症状を悪化させたりする方がいるんです。そこをすこし指導するだけで症状が良くなったりするんですよ」
ひとたび効果が出ると、患者さんも『自分の肌もここまできれいになるんだ』と前向きになってくれる。その経験はとても大事なことだ、と先生はおっしゃいます。
「乾癬は免疫バランスの乱れが原因であることがわかってきていますし、それにあわせて薬や治療法も進歩しています。まずは我々担当医にどうなりたいかの治療目標をちゃんと伝えて頂きたいですね。自分を変えたいと思ったらまずは一歩踏み出して専門医を訪ねて欲しいです」
3つのポイントお医者さんと自分にあった治療法を相談するためのチェックシート
「乾癬患者を支える10人の物語」-他のcaseを読む
病気を気にせず、ただ寄り添い、普通に暮らすことが一番のサポートだと思います。
過度な気配りは逆に相手を傷つけるような気がします。だからあえて意識させないよう、普段通りにしています。
言葉一つでとらえ方が変わってしまうので、患者さんとのコミュニケーションには細心の注意を払っています。
かゆみや苦労は想像でしかわからないけれど、乾癬患者さんのストレスを〈自分ごと〉として一生懸命サポートするようにしています。
明るく前向きに治療してもらおう！院長先生のそんな理想のもと、スタッフ一丸で患者さんの継続治療をサポートしています。
患者さんの不安を取り除くよう、いろんなタイミングで声をかけるようにしています。
僕にとって乾癬治療は〈オーダーメイド〉。患者さんひとりひとりとじっくり向き合い、最適な治療法をいつも模索しています。
悪い状態が続くと、どんどん悪循環に入ってしまう。乾癬は、いい状態をできるだけ長く続けることが、予防にもつながるんです。
自分を変えたいと思ったら一歩踏み出して、専門医を訪ねて欲しい。今なら、あなたにあった治療法がきっとあるはずです。
目の悪い人がメガネをかける、そんな普通の感覚で乾癬患者が引け目を感じず治療に取り組める世の中が理想。
一度治療をあきらめた方にも戻ってきやすい雰囲気づくりを心がけています。
「乾癬と生きる10人の物語」
乾癬を病気だとは思っていません。体質のひとつだと思っています。
新しい治療法が今はいろいろある。 だから前向きにチャレンジしたいです。
治療法は日々進歩しているんですね。 一度は諦めたけど思い切って一歩踏み出してよかった。
子供たちを海やプールに連れていってやりたい。そんな思いが治療の原動力になっています。
のたうちまわるような関節の痛みで自暴自棄になったこともありました。
いろいろ苦い経験もしてきましたが、あきらめなければ、良いことがあるんだなぁと。
体質を変えようと、 食事に人一倍気をつけています。
迷った末に注射剤による治療を選択。かゆみに悩まされず仕事効率も上がりました。
打たれ強い私でも、時々心が折れそうになります。 乾癬に対する偏見をすこしでもなくしていけたら。
乾癬だからって何かを我慢するのはもったいない。 やりたいことをやるのが私の治療の基本です。
