第2回
とちぎ乾癬友の会 学習懇談会(第23回) ~栃木県宇都宮市

【2019/6/16開催 とちぎ乾癬友の会 学習懇談会(第23回)】

患者会ってよく聞くけれど、どんなことをするの?メリットはなに?そんな質問が私たちのサイトにも多く寄せられています!そこで、乾癬パートナーズが全国各地の患者会に飛び入り参加!患者さんの目線から、その実態をリポートします。

患者・家族、医師、医療従事者が三位一体
で乾癬に立ち向かう「とちぎ乾癬友の会」

今回乾癬パートナーズが伺ったのは、宇都宮に拠点を置く「とちぎ乾癬友の会」。今から11年前、お隣の群馬県のような立派な患者会を、県内の患者さんのためにつくろうじゃないか!と大槻マミ太郎先生(自治医科大教授)と菅井順一先生(菅井皮膚科パークサイドクリニック)が中心となって立ち上げられた会です。患者さんと医師との垣根を外したい、と語る両先生の思いは、10年を越える試行錯誤を経て、近県からも広く参加者が集まるほどの大きな会に成長。開演前から熱気に包まれる会場には、ベビーカーに赤ちゃんを乗せた若いママさんや学生さんの姿も。
コミュニケーションを大切にしながら、患者・家族、医師、医療関係者(薬剤師や看護師さん)が三位一体で乾癬と向き合うことをモットーとしている、という「とちぎ乾癬友の会」。その運営スタイルとはいったいどういったものなのでしょう。期待はますます高まります。

患者さんを孤立化させない。
そのためにできることのすべてをやる。

会は事務局長である山下織江さんのアナウンスで始まりました。ご自身も10代で乾癬となり、症状や治療法であれこれ悩んでいる時、この患者会の存在が自身にとって大きな救いとなったと語る山下さん。同じような境遇の人たちの気持ちを少しでも楽にできるなら、と自分を助けてくれた「とちぎ乾癬友の会」の運営を精力的にサポートしていらっしゃいます。実際、山下さんが理事に加わってから、今まで患者会に関心を示さなかった若い患者さんや女性患者さんの参加も増えてきたとか。相談医の大槻先生も、「彼女はとちぎ乾癬友の会の天使的存在ですね。彼女のような若い女性が積極的に会を引っ張っていってくれることが会の未来につながります」と手放しの賛美を送ります。

とちぎ乾癬友の会 事務局長:山下織江さん

山下さんのインタビューを見る

そして、そんな彼女がこの患者会に入るきっかけをつくったのが、山下さんの当時の主治医で、患者会の相談医を大槻先生と共に務める菅井先生だったのです。
「患者さんが孤立化しないことがとにかく一番大事!この会がきっかけとなってひとりでも多くの患者さんに正しい知識を伝えることができたら」と語る菅井先生は、常に強い意思で乾癬治療に立ち向かう情熱的な医師。そしてその熱い思いに共鳴し、患者会立ち上げに尽力、自らも相談医として会を支える大槻先生。そんなお二人の最強タッグが支える「とちぎ乾癬友の会」は、いまや県内はもとより、近県の患者さんや医師、医療従事者までもが参加するほどの活況を見せています。

とちぎ乾癬友の会 相談医:菅井順一先生

菅井先生のインタビューを見る

笑いあり、感嘆の声あり
バラエティに富む講演に釘づけ

大槻先生のオープニングスピーチの後、2つの講演が行われました。一つ目は患者代表として、ふくおか乾癬友の会の田中政博会長が登場。「患者会に行ってきた」の第一回でもご紹介した田中会長の講演は、ここ宇都宮でも笑いと感動を巻き起こし、会場は一気に和やかな雰囲気に包まれました。
つぎに自治医科大学皮膚科学 教授 小宮根真弓先生が「乾癬治療の目覚ましい進歩の現状」というテーマでお話をされました。乾癬治療をリードする存在として知られる大槻先生率いる自治医科大学。その教授による最新治療のお話とあって、参加者たちも真剣な眼差しで時にメモに手を走らせ、画面に見入っていました。
かつてはドクターお2人による講演も行なったそうですが、患者さん1人、ドクター1人の立場を違えた講演のほうが反響が良く、今はこの形に落ち着いた、と大槻先生。いろいろ紆余曲折があったという11年の実績は、確かな形で参加者たちに支持されているようです。

大槻先生のインタビューを見る

医師と患者さんが輪になって
悩みや疑問にじっくり答える姿に感動!

講演のあとに短い休憩へ。すると、「椅子を車座に~」という掛け声とともに会場のセッティングが大きく変わりました。大槻先生が「このコーナーを設けたことで会の活性が大きく上がった」というとちぎ乾癬友の会の名物、質問コーナーです。
25人ほどの参加者が医師、患者、分け隔てなく輪になり、患者さんからの思い思いの質問や疑問に答えるそのスタイルは、冒頭でふれたこの会のモットーである「患者・家族、医師、医療関係者が三位一体で乾癬と向き合う」姿そのものであり、皆さんで、語り合い、時に笑いあったりする様は、ちょっと感動してしまう風景です。進行役の方もツボを心得ているようで、「今日初めて参加された方いらっしゃいますか?質問は今日初めての方を優先してやっていきましょう」と初めての参加者が気後れしないようやさしく配慮してくれます。
相談医の大槻先生、菅井先生のほか、講演をした小宮根先生や自治医科大学の若い先生、あるいは県内のみならず他府県から参加された医師など、大勢の医師や医療従事者たちが輪になって自分の質問にじっくり答えてくれる。考えてみれば、なんとも贅沢な時間です。
患者さんの質問に対して医師Aが答え、さらに医師Bが補足し、それに対して別の患者がまた質問をする。そんな流れで患者さんが自分以外の方を通じて正しい知識を持てるこのコーナーが人気となるのも頷けます。
参加者の中には前半の講演を聞いて帰ってしまう方もいらっしゃいましたが、時間が許すならぜひこのコーナーまで残らなきゃもったいないな、と正直に思いました。

とちぎ乾癬友の会 質問コーナーの様子
当日出た参加者からの質問例
  • つめにも乾癬が出ると聞いたが、初期症状やどんな治療があるのか教えて欲しい
  • 頭がかゆくて、いまは鱗屑もすごい。医者にかかるのは皮膚科が良いのか内科がいいのか聞きたい
  • 自己注射しているが最近チクリと痛みがある。大丈夫だろうか?
  • 一人暮らしで背中にクスリがぬれない。なにかよい方法はないだろうか?
  • 光線治療をしているが、何回できるのか?
  • 肌の露出が多くなるこれからの季節の注意点を知りたい

全国に広がる患者会。
あなたの住む街の近くにも、きっと

全国の乾癬患者会マップ

詳しくは、JPA(日本乾癬患者連合会)の
ホームページでお確かめください

http://jpa1029.com/index.html

あなたに合った治療が見つかる
3つのポイント
お医者さんと自分にあった治療法を相談するためのチェックシート